金融関係の用語として「総量規制」という言葉を聞いたことがあるでしょうか?
これは、個人の借入れ金の総額を制限しようというもので、貸金業法の改正に伴い平成22年6月に実施されることになっています。
完全施行されると、原則、年収の3分の1を超える無担保ローンは借り入れることができなくなります(ただし一部除外または例外となる借入れもあります。)。
例えば、年収300万円のひとが消費者金融業者から合計100万円の借入れをしている場合、既に年収の3分の1の枠いっぱいの借入れをしているため、新たに借入れをすることはできなくなるということです(1社のみから100万円であっても、複数の業者からの借入れ合計額が100万円であっても新たに借入れはできません。)。
これは、なかなか厳しい制限で、現在の消費者金融業者等からの借入れがある人のうち、4割を超える人が、すでに総量規制の規制対象となるという試算もあります。
また、A社への返済のためB社から借り入れるといった、いわゆる自転車操業的な借入れ・返済をしてきた人には総量規制のおかげで、返済不能に陥る可能性もあります。そこで、正規のルートでの借入れができない以上、いわゆるヤミ金から借り入れる人が増えるのでは、と懸念する声も多いです。
なお、総量規制の対象となるのは、個人の借入れであって、法人の借入れや、個人事業主が事業用資金として借入れを行う場合も総量規制の対象外となります。また、消費者金融業者、クレジットカード業者、信販業者等のからの借入れは総量規制の対象となりますが、銀行、ゆうちょ銀行、農協等金融機関等からの借入れは対象外です。
不動産を担保とした住宅ローンや、自動車担保ローン等無担保貸付ではない場合にも総量規制の対象となりません。